ばっかすの部屋

趣味や関心ごとに関する身辺雑記をチラシの裏に書き散らす。 そんな隠れ家「ばっかすの部屋」

電気不死鳥の声

「エレクトリック・フェニックス」のCDも1枚手持ちにあります。前身の「スウィングル・シンガーズ」のCDもありましたので、合わせて紹介しましょう。

「VOX」(英 VIRGIN CLASSICS VC 7 91108-2)
「1812」(英 VIRGIN CLASSICS VC 5 45134 2)

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奇しくも同じレーベル(英 VIRGIN CLASSICS)となりました。ちなみにディスコグラフィを見ると「エレクトリック・フェニックス」のディスクの発売元は「Wergo」「Chantry」「Norwegian Composers」「EMI」「Cocteau」「Virgin Classics」「Bridge」「Decca」「Mode」「Entr'acte」「British Music Label」「Sibila」「Philips」「Ircam」「Ricordi Oggi」と、20枚で16社にもおよび、良く言えば「引く手あまた」、悪く言えば「タライ回し」の状態です。

「VOX」はTrevor Wishartによる、テープサウンドによる変調を伴う4声(S,MS,T,B)のための連作で、「Vox 1」から「Vox 6」までの6曲で構成されています。「Vox 1」から「Vox 5」までは典型的な現代声楽曲の趣ですが、「Vox 6」で突如ポップス調となって驚かされます(興醒めとも言う?)。

「AV FRONT」1990年6月号の「DISC HOBBY」で長岡先生も紹介されていますが、先に紹介したWergo盤EMI盤のLPと共通した特徴を持つ録音が、電気的変調によってパワーアップした感じです。サウンドデザイン担当としてクレジットされているJohn Whitingが、存分に腕をふるったということなのでしょう。録音は1982年夏(ヨーク)、1986年秋(パリ)、1988年夏(ロンドン)と、時と場所をまたいでいますが、よく統一されています。(P)1990年。

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「1812」は、いきなり拍手から始まり驚かされます。全15曲のうち、1-5と14-15の7曲が1988年12月のライブ録音、他の8曲は1989年5月ロンドンでのスタジオ録音とあり、全体としては拍手で始まり、拍手で終わるという構成となっています。(P)1995年。

録音は、ライブ部分は水平一直線という音場展開で、一聴してマイク使用のPAサウンドであることが明らかです。スタジオ録音部分は音像、音場とも自然な感じとなり、オーディオチェックにも使えそうです。

曲は「ウィリアム・テル序曲」「月の光」「1812年序曲」といったクラシック作品からビートルズまで幅広く、気楽に楽しむことができるでしょう。