ばっかすの部屋

趣味や関心ごとに関する身辺雑記をチラシの裏に書き散らす。 そんな隠れ家「ばっかすの部屋」

三位一体

6月12日に行われた「ミューズの方舟」の定例会で、会員のTさんが1枚のCD(ハイブリッドSACD)を紹介されました。スウェーデンOpus 3」レーベルの「A Selection from Tomas Örnberg's BLUE FIVE & The Swedish Jazz Kings」(CD 22101)です。

私はオンラインでの参加でしたので、会場での再生音をZoom経由でイヤホン試聴するという、劣悪な条件でしたが、それでも音の良さが感じられました。

というわけで早速検索したところ、ヤフオクで出品中のものがみつかりました。値段も手頃(1,200円 + 送料210円 ー クーポン200円 = 1,210円)だったので入札したところ、すんなりと落札。早くも今日(6月15日)到着しましたので、早速試聴してみました。

音楽としてはカントリーかディキシーランドジャズといった印象を受けましたが、ライナーノーツによると「the Chicago style jazz music from the 20's and 30's」だそうですから、ニューオーリンズのバンドが1910年代にシカゴやニューヨークに移動して広まった」というディキシーランドジャズの概要説明に合致します。酒場や街角で一杯やる場面に流れる陽気なBGMといったところです。

Örnbergのサックスやクラリネットに、ゲストのコルネットクラリネットトロンボーン、トランペットなどが絡むメロディを、ピアノ(ホンキートンク調?)、バンジョー or ギター、ウッドベース or スーザフォンの伴奏がサポートする、という編成です。打楽器がいない、というのがこのグループの特徴のようです。

曲自体はいたって気軽なものばかりですが、演奏自体は高度なテクニックを駆使した、非常にしっかりとしたものです。

録音は北欧レーベルらしい「透明な空気感」と、管球マイクやアンプの「温かみと厚みのある音」が融合した、独特のサウンドに仕上がっています。明瞭な音像や、広大な音場といった方向ではなく、空気清浄装置を備えた酒場の片隅で身を寄せ合って演奏しているのを間近で聴く、といった雰囲気でしょうか。

1979年から2001年の録音となっていて、ジャケットには6枚のアルバム写真がレイアウトされていますので、それらからの抜粋と思われます。全19曲、78分35秒が収められていますが、曲順は録音年順ではなくバラバラで、演奏者の組み合わせも様々です。しかし、サウンドには統一感があって違和感はなく、しかしよく聴くとそれぞれの違いが感じられます。

CD、SACDのハイブリッドディスクで、SACD2chステレオと4.1chマルチで収録。Opus 3の採用する「Blumlein single-point stereo microphone recording technique」 は、リアチャンネル成分も収録されているため、アナログ時代の録音も含め、4ch化が可能ということです。それぞれのフォーマットで聴いてみましたが、それぞれの良さがあり、それぞれ楽しめそうです。

 

というわけで、 良いディスクを紹介してくださったTさんに、感謝!!