昨日の記事で取り上げた「チャイコフスキー/交響曲第2番「小ロシア(ウクライナ)」のCDは、オランダ・BRILLIANT CLASSICSレーベルの「TCHAIKOVSKY EDITION」からの1枚でした。
演奏は、ユーリ・シモノフ指揮/フィルハーモニア管弦楽団。1989年9月、ロンドン聖ペトロ教会での録音とあります。このボックスセットには、当然チャイコフスキーの他の交響曲も収録されているわけですが、1番と3番はウラジーミル・フェドセーエフ指揮/チャイコフスキー交響楽団、4〜6番はゲンナジー・ロジェヴェンスキー指揮/ロンドン交響楽団と、寄せ集めとなっています。
手持ちのチャイコフスキーの交響曲第2番としては、ドイツ・グラモフォンの「COMPLETE SYMPHONY EDITION(from SCHUBERT to RACHMANINOF)」に収められたカラヤン指揮/ベルリン・フィル盤(℗1979)と、VoxBoxレーベルの「TCHAIKOVSKY Complete Orchestaral Music」シリーズのモーリス・アブラヴァネル指揮/ユタ交響楽団盤(℗1991)があります。
三者を並べてみると、レーベルはオランダ、ドイツ、アメリカ。指揮者はロシア、ドイツ、スイス。オケはイギリス、ドイツ、アメリカ。NATO勢が圧倒的優位となりました。
それぞれ聴いてみましたが、録音としてはシモノフ盤は細身で埃っぽく、感心しません。カラヤン盤は、カラヤンらしくない潤いのある響きにびっくり。カラヤン没後はリマスタ時にまともな音に直しているのでしょうか? アブラヴァネル盤はかなりのオンマイクで音場感は欠けますが、歪っぽさのない朗々たる響きは一昔前のハイファイ録音といったところでしょうか。
BRILLIANT CLASSICS盤とVoxBox盤はCD1枚に交響曲1曲(+管弦楽曲)の6枚構成となっていますが、グラモフォン盤は6曲の交響曲が4枚に押し込まれています。そのため、交響曲第2番の第1、2楽章は交響曲第1番「冬の日の幻想」とのカプリング、第3、4楽章は交響曲第3番「ポーランド」とのカプリング、となっています。