前回はNo.59の紹介を書き出したところで、新発見にたどり着いたため、いささか興奮してしまいました。
改めてNo.59,60の感想です。
No.59「プロコフィエフ/Vn協奏曲」は、歪み感のない、非常に緻密で繊細な録音ですが、全体的にオーケストラが控えめで、ヴァイオリンばかりが目立つ感じです。特に第2番の第3楽章で、ヴァイオリンのソロに合いの手を入れるようにからむカスタネットが全く目立たないところなどは、曲の魅力を損なっているように感じました。
No.60「アレクサンドル・ネフスキー」は、「オケとコーラスの咆哮し絶叫するシーンでも決して混濁せず、きめ細かく分離している。ここがこのレコードの特長でもある」とある通りですが、録音時のテイクの違いが現れるのか、ところどころ合唱が歪んで音が割れる感じになります。第5部「氷上の戦い」の途中では、明らかに継ぎ足した、と気づく部分もありました。
「惜しむらくは超低域がやや不足気味なこと」ともありますが、おかげで10cm一発のスーパースワンでも相当な大音量で鑑賞することができました。曲が盛り上がるほどボリュームを上げたくなる録音です。
ちなみに下の写真、ライナーノーツ表紙のプロコフィエフと比べると、ジャケット裏のアバドは明らかに貫禄負けしています。