ばっかすの部屋

趣味や関心ごとに関する身辺雑記をチラシの裏に書き散らす。 そんな隠れ家「ばっかすの部屋」

空気清浄効果(A級外盤No.57.58)

No.57「打楽器の音楽」

No.58「デジタル・パーカッション」

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久々のA級外盤ネタです。No.57は7月19日の記事で紹介済みですが、改めて取り上げます。

まずはNo.58。針を落としてすぐ、普通の録音ではないと感じました。音の、というか音場感のオーラが強烈に感じられたのです。

あわてて長岡先生の解説に目を通すと、まさに目の前に繰り広げられているサウンドが的確に描写されていました。

「音は極めて特長のあるもので、音よりも音場感、距離感に驚かされる。ホールの床とホールの空気がありありと再現される。壁は遠すぎて、天井は高すぎて定かに見えないが、そこにあることは実感される。楽器はすべて実物大で、ppでもffでもサイズがまったく変らない。ひとつずつ実体を持って空間を占有しており、同じ空間に何種類もの楽器が重なって定位するというようなことがない。音像は一番手前のものでもスピーカーの線であり、ほとんどの楽器はスピーカーの後方に定位する。しかしホールエコーはリスニングルームをわが物顔に飛び回り、リスナーを包み込む」

私には、東京藝大の第6ホール武蔵野音大のリハーサルホールといった、コンサートホールというよりはスタジオに近い会場の最前列で、打楽器アンサンブルを聴いた記憶に近い音と感じられました。

A面の1曲目はヴァレーズの「イオニザシオン」ですが、針を落としてすぐ、テンポが遅いと感じました。「ひょっとして45回転盤なのかな?」と思ったほどです。長岡先生も「イオニザシオンも録音はいいが、演奏がちょっとそっけない」と評しています。

改めてNo.57の「イオニザシオン」と聴き比べると、No.57の方がいかにも「イオニザシオン」らしい(と私が思う)キビキビとした演奏で、No.58は明らかに聴き劣りします。

一方、No.58の音場や空気の透明感は圧倒的で、これを聴いてしまうとNo.57は埃っぽく淀んだ空気、コロナが蔓延しそうな音場です。

イオン化による空気清浄効果はNo.58の方が優れているという結果となりました。