ばっかすの部屋

趣味や関心ごとに関する身辺雑記をチラシの裏に書き散らす。 そんな隠れ家「ばっかすの部屋」

nの紋章(A級外盤No.56.57)

No.56「エドガー・ヴァレーズ」

No.57「打楽器の音楽」

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米ノンサッチの現代音楽シリーズの登場です。

No.56が(C)1972、No.57が(P)1974となっていますが、レコード盤のラベルのロゴマークが異なっています。No.56は小文字の「n」をデザインした初期のロゴ、No.57は大文字の「N」をデザインした新しいロゴです。

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ジャケットや内袋のロゴはどちらも初期ロゴですので、No.57は新ロゴの時代になってからの再プレスと推測できます。

いつからロゴが変わったのかを調べてみたところ、現在のノンサッチのホームページには初期ロゴが掲げられています。現在は初期ロゴに戻ったようです。「About Nonesuch Records」というページには、1964年に発足した同レーベルの詳細な歴史が記されていますが、ロゴについては特に触れられていません。

さらに調べると、タワーレコードのサイトで2013年1月28日に公開された「NONESUCH設立50周年記念 ベスト30」という記事に「当時はロゴがもっと曲線を描いていたのだけれども、これが角張ったのは84年、現在のかたちに落ち着いたのは95年だ」との記述がありました。

これからすると、No.57は1984年以降の再プレスとなりますが、奇しくも1984年は「外盤A級セレクション」第1巻が発売された年です。

 

さて、本題の試聴です。両盤を比較すると、No.56の方がクリアで見通しの良い音で、楽器の音ひとつひとつを磨いて並べてみせるような爽快感があります。No.57はそれと比べると空気が濃密になったような感じで、ある種の息苦しさ、というか人間臭さがある独特な音ですが、音像に適度な距離感があり、全体としては生の演奏会に近い雰囲気を醸し出しています。

No.56はオーディオファン向け、No.57は音楽ファン向け、と言えるでしょうか。