ばっかすの部屋

趣味や関心ごとに関する身辺雑記をチラシの裏に書き散らす。 そんな隠れ家「ばっかすの部屋」

右寄りラッパ吹き(A級外盤No.61)

No.61「トランペットとピアノ」

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聴き始めてすぐ気になったのが、トランペットもピアノも右寄り(センターと右スピーカの中間よりやや右)に定位することでした。

長岡先生は「音像は小さいが、定位はセンター付近で絶えず上下左右に動く」と評しています。「またどこかの不具合か?」と焦りながら、モノラル録音のレコードをかけてみたところ、こちらはセンターに定位しましたので、No.61の録音自体が右寄りということになり、一安心。改めて針を下ろします。

「ラプソディはドクシツェルの編曲で12分29秒(普通は16分30秒〜17分)と少し短くなっている」とありますが、単なる短縮ではなく、「普通」のピアノ&フルオーケストラ版にはないパッセージが加えられたりしています。「オリジナルのピアノ&ジャズバンド版がベースなのかな?」と思い、聴き比べてみましたが、そういうわけでもなさそうです。

ちなみに「ラプソディ・イン・ブルー」のオリジナルといっても、ガーシュウィンが関わっているものだけで6種類の稿があるようです。

手持ちのCDも「普通」でないものだけで7枚ほどありました。

・一番左の2枚はピアノ&ジャズバンド版(上:16'50''、下:15'58'')

・その右の1枚は2台ピアノ版(17'46'')

・その右の2枚はピアノソロ版(上:17'29''、下:14'40'')

・一番右の上はピアノ&オーケストラ版(17'12'')

・一番右の下はガーシュウィンのピアノ自演によるジャズバンド版(9'03'')

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すべてを聴き比べる気力はありませんが(暑すぎる!)、ドクシツェル版はトランペットが映えるように適度にアレンジ(短縮&パッセージの追加)をしたもののようです。そもそも「ピアノソロ+伴奏」を想定した曲なのですから、そのまま「単旋律楽器+ピアノ伴奏」に編曲すると冗長な部分や持て余す部分が出てくるのでしょう。

 

さて、肝心の録音ですが、管楽器の音が苦手な私が、朗々となるトランペットの音色に聴き惚れてしまいました。それだけクセのない、自然な録音ということでしょう。

なぜ右寄りなのかが唯一の謎です。