昨日の続きで「イオニザシオン」を2枚紹介します。
「ヴァレーズ」クラフト指揮/コロンビアSOメンバー(米 CBS 60286)
「ヴァレーズ」メータ指揮/ロスアンジェルス打楽器アンサンブル(英 LONDON 414 170-1)
CBS盤は(P)1960,(C)1983。
60年以上前の録音となりますが、ヒスノイズはそれほど大きくなく、音の鮮度も高く、現代の録音と言っても通用しそうです。ただし、ハムのようなノイズが常時聞こえます。音場はそれほど広くなく、ホールエコーも控えめ。音像の実在感はありますが、距離が近目で、全体としてソーシャルディスタンスが取れていません。
演奏はキビキビとして爽快。サイレンの音が全体に控えめで、冒頭部では寝ぼけたような感じですが、中間部では急に目を覚ましてけたたましく鳴り響いて驚かされます。
LONDON盤は(P)1972,(C)1985。
ホールエコーは控えめで、音場はスピーカーの外には広がらず、音像もはっきりしないため、マルチマイク録音とわかります。音のキレは悪くありませんが、バスドラの音は皮が弛んでいるような感じです。
演奏はこれもキビキビして爽快な感じで、悪くありません。盛り上がってくるとメータの唸り声が聞こえるような気もしますが、空耳でしょうか?
ちなみに演奏時間は、CBS盤:4'50''、LONDON盤:5'05''、No.57 Nonesuch盤:5'20''、No.58 MMG盤:5'46'' とかなり差があります。MMG盤はCBS盤より1分近く長いのですから、テンポが遅く感じたのも道理です。
全体としての空気洗浄度は、MMG >> Nonesuch > LONDON > CBS といったところでしょうか。
録音が新しいほど演奏時間は長く、空気洗浄度は高くなる傾向が伺える、という分析結果となりました。