ばっかすの部屋

趣味や関心ごとに関する身辺雑記をチラシの裏に書き散らす。 そんな隠れ家「ばっかすの部屋」

「第9」の季節?

「長岡先生が『レコードえんま帳』で取り上げた」と1月30日の記事で紹介した「ベートーヴェン交響曲全集」は、ペーター・マーク指揮、パドヴァ・ヴェネト管弦楽団によるARTSレーベル盤です。この全集は持っていませんが、棚を漁ったら「第9」だけが出てきました。「Gramophone」1999年4月号の付録として入手したCDです。

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スリーブには「GCD0499」という型番が記されてますが、CD本体には「47248-2」と付されていますので、ディスクは市販CDと同じものと思われます。

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長岡先生は「コーラスは60人くらいいそうだが、オケはよくわからない。音からすると30〜40人ではないか」と記されていますが、スリーブの写真を見ると、コーラスは16〜17人/列で4列並んでいますので、70人弱ほどいるようです。オケの人数ははっきり数えられませんが、「第9」の場合、管楽器が最低19人、打楽器が4人必要です。これに弦5部(1stVn-2ndVn-Va-Vc-Cb)が加わるわけですが、通常編成であれば最小でも30人(10-8-6-4-2)ほどとなりますので、少なくとも総勢50人はいるのではないでしょうか? いずれにせよ「第9」としては小さめの編成と言えそうです。

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演奏は重厚長大タイプではありませんが、近年主流のサクサク軽快タイプとも異なります。音楽はテンポ良く流れて行きますが、サラサラとではなく、クッキリ、スッキリ、ハッキリと、決めるところはシッカリと決める、というスタイルです。油絵でも水彩画でもなく、かと言ってペン画でもなく、、、 絵に例えるより、ペン字の楷書、それも万年筆ではなくボールペン、といったところでしょうか?

長岡先生は「楽器の数が少ないだけ透明度が上がった感じで、見通しがよく、重厚長大という感じは少なく、どちらかというと軽薄短小に近いが、演奏はむしろ悠揚迫らず、クールで精密。厚手のコートを着たしかめ面のベートーヴェンではなく、水着でプールに飛び込む笑顔のベートーヴェンと表現しています。

録音は、大聖堂にしては高さや奥行きが感じられず、広がりもそこそこです。fレンジもそこそこで、コーラスが歪っぽくならないところは感心しましたが、優秀録音というほどではないと思います。長岡先生は「トータルで音、音場ともよい録音である」とされてますが、さて、、、

せっかくですので、購入したばかりのベートーヴェン 作品全集」の「第9」も聴いてみました。アーノンクール指揮、ヨーロッパ室内管弦楽団によるTeldec原盤の演奏です。必要最小限の情報しか印刷されていないCDレーベル面が目を引きます?

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こちらは、アーノンクールらしいサクサク系の軽快な演奏です。マークよりもモダンな感じですが、1994年12月録音のマークより古い、1991年11月の録音です。音質は残念ながら感心できるものではありません。音場はスピーカの間にしか展開せず、fレンジも低域・高域ともマーク盤には及ばないないのは、値段相応なのでしょうか?

というわけで、2月が始まったばかりだというのに「第9」を立て続けに2枚聴いてしまいましたが、二度あることは三度ある、、、かな?