ばっかすの部屋

趣味や関心ごとに関する身辺雑記をチラシの裏に書き散らす。 そんな隠れ家「ばっかすの部屋」

話題満載!?(A級外盤No.65)

No.65「メシアン聖霊降臨祭のミサ」

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LPのジャケットは「外盤A級セレクション」掲載のものとは異なりますが、レコード番号(CAL 1927)は同一です。

今、ちょっと検索してみたら、本に掲載された物と同じジャケットの画像が見つかりました。以前から気になっているのですが、このジャケットの写真、何を撮影したものなのか、全く見当がつきません。あまりに意味不明なために、メシアンポートレートに変更されたのかも?

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さて、本題の試聴に入ります。「CALLIOPEはワンポイントのオフマイクで空間そのものを丸ごと取り込もうというタイプ」とありますが、一般的なオルガン録音よりも間接音の比重が高めです。No.18「力と栄光」とは違い、10cmフルレンジでも安心してボリュームを上げ、オルガン(と教会)の音を堪能することができる録音です。レコードに同封されたカタログリストに"CALLIOPE always records by means of artificial head, which allows the largest dynamic range."と記されてますので、ダミーヘッドを使用しているようです。

 

メシアン(1908-1992)の生誕100周年に発売されたEMIの14枚組CDボックス「The Anniversary edition」に収録された「聖霊降臨祭のミサ」と聴き比べようとしたら、かなり古いモノラル録音が流れてきてびっくり。あわてて確認すると、1956年12月26日の自作自演でした。しかもメシアンが「1933年から彼の死の1992年まで教区のオルガニストを務めた」パリのサントトリニテ教会での録音ですから、自家薬籠中の演奏ということになりますが、素っ気ない印象を受けました。

 

ところで原典の「外盤A級セレクション」は1984年の初版と2013年の新版があり、普段は新版の方を参照しているのですが、No.65の解説を読んでいると、誤植ではないかと気になるところが3ヶ所ありました。

1「デモ効果をあげるため楽器にない超低音をプラスして演奏するという操作はやっていないと思う」

2「号笛のようなハスキーな音がブオーッと飛び出してくるところも面白い」

3「全体にボーカルエコーが豊かで美しく、音場感がいい」

初版を見ると、1は「楽譜にない超低音」、3は「ホールエコーが豊かで美しく」の誤植であることが確認できましたが、2の「号笛」は「霧笛」か「警笛」あたりの誤植かと思いきや、初版でも「号笛」とあります。検索してみると「船乗りが各種号令の合図として使う笛」とあり、私が無知なだけでした。

それにしても、このような特殊な笛の名前と音をご存知だった長岡先生の博学ぶりに、改めて感服です。