No.40「ラインの黄金」
このディスクを初めてかけた時「第1面冒頭の40Hzの重低音の圧力」に圧倒された記憶があります。
当時住んでいた公団マンションに備え付けられたクローゼットの薄いスチール製扉が共振し、盛大なビビリ音が発生したため、裏にブチルテープを貼って抑えたりしました。
長岡先生が紹介したのは写真左の独デッカ盤ですが、写真右の英デッカ盤(SET382-4)の方は、重低音の圧力があまり感じられません。40Hz以下6dB落ちといったところでしょうか。
写真中央は、1997年にリマスタリングされたCD(英デッカ、プレスはドイツ)ですが、こちらの音も英デッカ盤に近い感じです。
他のディスクは持っていませんが、独デッカ盤の重低音が特別なのかもしれません。
No.42「ブルックナー/ロマンティック」
先生が紹介しているのは英EMI盤ですが、私は持っているのは写真左の独EMIエレクトローラ盤(1C 037-00 593)です。
先生は「録音が古いわりにはレンジも広く、スペアナで見るより低音感がある。情報量は特に多く、繊細、超微粒子で、しかも粒子の間のすきまがなく、緊密に連携しているという感じのサウンド」と絶賛していますが、こちらのディスクはそんな音は全くしません。
低音不足でコントラバスはほとんど聞こえず、ヴァイオリンや金管楽器はヒステリックに鳴り響き、耳を塞ぎたくなります。
写真右のCDは、2012年に発売された英EMI盤のクレンペラーのブルックナー交響曲集(第4〜9番)。第4番は2004年のデジタルリマスタリングとあります。
こちらの音は、先生の評価も納得の仕上がりです。
音源が違うのではないかと思うほどの差があるため、同時再生して切替え試聴してみましたが、同じものでした。
図らずも、英国レーベル音源の英独盤での聴き比べとなりましたが、No.40は独盤、No.42は英盤が圧勝という結果のようです。