NHK-FMの「夜のプレイリスト」で紹介されたCDが気に入ったので、入手してみました。「the Story / GRACE IN GRAVITY」(米Elektra 9 61321-2)。「the Story」というのが女性ヴォーカル2人のグループ名で、冒頭の曲名の「GRACE IN GRAVITY」がアルバムタイトルとなっています。
アコースティックギターにベースやキーボードが絡む伴奏に乗せ、絶妙な女声ハーモニーが繰り広げられるという、私好みの音楽で、録音も良さそうに聴こえました。
CDで聴いてみると、音のキレや厚みが今一つで、悪い音ではありませんが、優秀録音とまでは行かないようです。
女性2人の声も、左右に別れてはいますが頬を寄せ合っているかのように近く、伴奏もその周りにこじんまりとまとまっている感じです。あえてそういったサウンドイメージに仕上げているのかもしれませんが、個人的にはもっと広がりが欲しいところです。
そんなことを思いながら、ライナーノーツのクレジットを眺めていると、
The Story is:
Jonatha Brooke: vocals, acoustic guitar, piano
Jennifer Kimball: vocals
と、複数形の「vocals」と表記されていることに気づきました。
改めて聴いてみると、確かに部分的にヴォーカルを多重録音して、声部を増やしています。この辺の(表記への)こだわりは、多分アルバム制作全般にも現れていることでしょう。
℗1991とありますので、30年以上前の作品ということになります。FMで耳にした見知らぬ歌手の30年前の輸入盤CD(中古)を、いながらにして入手し、聴くことができるのですから、便利な世の中になったものだと改めて思います(ダウンロードもできるようです)。
ググってみても日本語の情報はほとんどありませんが、繰り返し聴くに値する、いいアルバムだと思いました。