ばっかすの部屋

趣味や関心ごとに関する身辺雑記をチラシの裏に書き散らす。 そんな隠れ家「ばっかすの部屋」

千の風になって

12月21日の記事で、MC-L1000取説に触れましたが、それを取り出した時に、L1000付属の個別測定した周波数特性のグラフも出てきました。私は2個所有しているので、手元に2枚のグラフがあります。

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このグラフの左側に、"Serial"と"Cartrige NO."という番号が記されていますが、写真上のグラフは"Serial:08203181"、"Cartrige NO.3175"、下のグラフは"Serial:11203320"、"Cartrige NO.3321"、となっています。

"Serial"というのは、出荷製品に付けられる通し番号(製造番号)とされていますが、まさか820万個とか1,120万個とか出荷されたわけではないでしょう。"Serial"の下4ケタと"Cartrige NO."は、同一ではありませんが近い数字となっていますから、3175番目と3321番目のカートリッジに、08203181と11203320という出荷番号が付されたものと推察されます。

実は、どちらのL1000も店頭で購入したものではありません。1個目はビクターに勤めていた大学時代の友人に社内販売価格で購入してもらい、2個目はミューズの方舟のメンバーから在庫処分価格のような形で購入してもらったため、領収書がなく、購入日がわかりません。ただ、両者の購入時期は2年以上離れていたと思います。

一方1個目のL1000は、1986年6月に購入したサエクC-1の次のメインカートリッジとして導入したものですので、購入したのは1990年前後と思われます。L1000の発売は1983年12月、販売終了は1989年頃という情報もありますので、1個目を購入したのが販売終了間際、2個目は在庫最終処分時、という感じかも知れません。両者の"Cartrige NO."が近いのも、それを裏付けていそうです。

だとすると、L1000の出荷数は、6年間でせいぜい3,500個程度ということになりますが、ミューズの方舟の会員だけで1%は購入していそうです。

30年以上前の製品ながら未だに愛用者の多い伝説のカートリッジですが、実際に使用した人は、中古流通分を踏まえても5〜6千人、現在も使用している人はせいぜい数百人、といったところでしょう。風前の灯かもしれませんが、大事に使いたいものです。