ばっかすの部屋

趣味や関心ごとに関する身辺雑記をチラシの裏に書き散らす。 そんな隠れ家「ばっかすの部屋」

古傷

レコード芸術」はすでに11月号が発売されていますが、10月号に掲載されている片山杜秀さんの連載「レコード小説」を遅ればせながら読んでビックリ。

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この作品は、クラシックレコードマニアの主人公が「荒マア夷先生」や「彷徨先生」に導かれて、異次元世界の数寄屋橋や銀座や万世橋レコード店を巡るという、幻想的パロディ小説です。片山さんの青春時代のレコード店巡り体験が色濃く反映されていると想像されますが、その描写が、片山さんより2年年長の私の1980年代のレコード店巡りと「完全に一致」していて、毎回冷や汗を書きながら読まされている怪作です。

で、その連載第11回「第6店を前にした橋の上で」に、なんと「星ヶ岡鉄瓶人先生」の名が登場したのです。

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「この街に張り巡らされたスピーカーは大きいのも小さいのも、どれもこれも、星ヶ岡鉄瓶人先生の作品でしてね」
「鉄瓶人先生はそこの神田川の河原に箱舟という名の窯を持っておりまして」
「大日の丸電気の売り場の目玉は鉄瓶人先生のセレクトによる名録音LPコーナーなんですよ」
「何しろ自衛隊の演習音とヴァレーズやケージの打楽器合奏曲のアルバムを一緒に売っているんだからねぇ」

主人公が今回導かれるのは「大日の丸電気」の「傷物バーゲン」会場。片山先生と並んで「エサ箱」を漁る私の姿が目に浮かぶようです、、、、、