ばっかすの部屋

趣味や関心ごとに関する身辺雑記をチラシの裏に書き散らす。 そんな隠れ家「ばっかすの部屋」

少し真面目なお話

「レコードえんま帳」の広告が掲載された「レコード芸術」10月号には、気になる記事も載っていました。寺島靖国さんの連載「クラシック・ファンのための”音のいい”JAZZ CD」です。

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冒頭「血液検査、やってますか。私はこの間、生まれて初めてPSA検査を行いました」と始まっています。昨年12月30日の本ブログで紹介した、前立腺癌の検査を受けられたようです。

「そういえば少し前の朝日新聞Beという号外版に出ていました。中川いさみという方のマンガ『コロコロ毛玉日記42』。主人公が生検を受けることになったのです」ともあります。8月21日付の朝日新聞Beのこのマンガのことです。

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これまた、上記本ブログ記事で紹介した「針生検」のお話です。寺島さんも中川さんも、癌は見つからなかったということで何よりです。

ただ、気になったことがあります。寺島さんは1938年生まれの83歳。この歳で初めてPSA検査を受けたというのは遅すぎるというのがひとつ。そして、PSA値が9.7と出たため紹介を受けた泌尿器科「生検をやりましょう」と言われたが「勘弁してください」と申し出て、かわりに受けたMRI検査は合格、その後のPSA値が1.27となって「よかったですねぇ」で済んだとありますが、83歳の高齢者に身体負荷の多い生検を勧める必要があるのか、というのがもうひとつです。

私が参考にした藤野邦夫「後悔のない前立腺がん治療」潮出版社)という本には、前立腺がんは一般に進行がゆるやかで、死亡するまでに約13年かかるとされます。そのため米国医療健康・品質調査機構の発表は、70歳以上の男性にPSAの定期検診を勧めていません。米国内科学会も期待余命が10〜15年ある男性だけに検診を勧めています」(p.73)とあります。70歳以上の人に初期の前立腺癌が見つかったとしても、他の原因で死亡する可能性が高いので、積極的な治療は不要だし、重度の癌が見つかった場合は手遅れなので、いずれにせよ検査をする意味がない、ということです。「エビデンスに基づく合理的な判断」というやつですね。一方、中川さんは私と同じ1962年生まれの59歳ですので、定期的にPSA検査を受け、必要に応じて生検を受ける意味があるわけです。そして私のように前立腺癌が見つかった場合、ステージに応じた治療の選択が迫られるわけですが「尿漏れなどの後遺障害や、癌再発のリスクが低くないので、あわてて前立腺全摘除術を受けない方が良い」というのが、上述の本で私が学んだことです。

9月8日に密封小線源治療手術」を受けて18日を経過しましたが、後遺障害は特にありません。昨年、針生検を受けた後の苦痛(悪寒、発熱、頭痛)とは大違いです。11月の「外部放射線治療」を控え、予断を許さない状況ではありますが、今のところは「良い治療法を選択をしているな」と実感しています。

以上、理解と納得に基づく選択が「安心・安全」を生む、というお話でした。