前回「一晩休めば、なかったことになると信じて、布団にもぐりこみました」と締め括りましたが、まさに「信じる者は救われる」。翌日、レコードに針を落とすと、再び左チャンネルからも音が出るようになっていました。
一本目のMC-L1000も、時々片チャンネルの音が出なくなることがありましたから、L1000の老化の兆候と言えそうです。LP片面をかけ終わった時に、リードアウト部の最内周(レコードラベルの外周部分)に針先が触れるのが良くないような気もしますので、これからは注意しようと思います。と言っても、レコードをぼんやり聴いていると、つい寝落ちしてしまうのですが、、、
ともあれ、前回のギター系レコードの続きとして、ちょっと変わり種を聴いてみました。12弦ギター(仏ARION ARN 33723)とウクレレ(米surfside records SFS-109)です。
12弦ギターはクラシック主体のARIONレーベル盤ですが、ジャンルは完全にカントリーミュージックです。ヴォーカル無しのインストルメンタル曲のみ計10曲。ジャケットには7名がクレジットされていて、ギターが少なくとも3名、ドラム、ウッドベース、バンジョーが聞き取れますが、誰が何を担当しているかはよくわかりません。録音は完全なオンマイクで、12弦ギターだけがやたら強調されてオーバーシュート気味。バックは存在感が希薄なくせに、時に歪っぽさが感じられます。演奏は、12弦ギターがメロディーラインとコードの刻みとベースラインを同時に弾いているように聴こえるところなどがあり、ギター1本で弾いているとしたら超絶技巧だと思いますが、定位が曖昧で2本が1本に聴こえるだけのような気がします。℗1983。同一シリーズに「Texas folk songs」(ARN 33690)や「Fiddle and banjo blue grass」(ARN 33717)があるそうです。
ウクレレはビートルズ等のポピュラー名曲12曲を気楽に聴かせる内容です。奏者のOhta-san(Herb Ohta)は、世界的な日系ウクレレ奏者だそうですが、少なくともこのレコードは、テクニックや音楽性を印象付けるものではないようです。キーボード、エレキギター、エレキベース、フルート、ドラム、パーカッションが加わっていますが、共演者の記載はありません。刺激的な音は皆無の上品な録音で、BGMとしては上出来だと思います。なお、A面2曲目は「JESUS CHRIST SUPER STAR」とクレジットされていますが、実際はカーペンターズで有名な「SUPERSTAR」でした。