No.74 シュトックハウゼン「歴年」
一週間を題材とした連作オペラ「光」の「火曜日」第1幕に位置づけられる作品で、オリジナルは雅楽編成で1977年に初演されましたが、このレコードは1979年に初演された西洋楽器バージョンです。
下の写真は、2014年に再演された雅楽バージョンの舞台です。上のジャケット写真との対比が興味深いのではないでしょうか。
「楽器編成は日本初演が、笙、竜笛、ひちりき各3、楽箏(十三弦)、琵琶、鉦鼓、羯鼓、太鼓各1。これに対応するヴァージョン用の楽器は、ハルモニウム(リードオルガン)、ピッコロ、ソプラノサックス各3、ハープシコード、ギター、カナトコ、ボンゴ、バスドラム各1」とありますが、日本人はこのレコードを聴く時、雅楽器の音色を重ね合わせて楽しめるという特権があります。というより、そういう耳で聴かないと、何とも間延びした、捉え所のない音楽に感じてしまいそうです。
「広く深い音場、厚みと力があり、艶やかな音色。直接音と間接音のバランス。超A級の録音」といえますが、映像が欲しくなる作品でした。