No.68「クロウマタ・パーカッション・アンサンブル」
長岡先生が「ケージの曲は4人で演奏しているが曲としては一番面白い」と評していますが、確かに収録されている4曲(A面3曲、B面1曲)の中では、A面冒頭のケージ「セカンド・コントラクション」が聴いていて楽しめます。B面の平義久「ヒエロフォニー」などは冗長で、冒頭とクライマックスだけ聴けばいいや、という感じです。
ただ、録音でいうと、ケージの曲だけ音像が近目でセンターに重なる感じもあり、他の3曲の方が音場感、距離感が自然な気がします。打楽器の種類としては、金属系のリアルさに比べると、ウッド系、スキン(皮)系はやや甘いようです。
写真にあるように、CD(BIS-CD-232)も手元にありますので、「外盤A級セレクション(新版)」のサンプラーCDとあわせて、ケージを聴き比べてみましたが、どちらのCDも、高域の切れ、低域の締まりとも、ADに劣る感じです。
「CDプレーヤの限界かな?」と思い、サンプラー1曲目のNo.5「ラ・スパグナ」をADと聴き比べてみましたが、こちらはそれほど差はありませんでしたので、「クロウマタ」のCD音源の音が甘いようです。
なお、CDのカッティングレベルはかなり低めで、AD再生時11時位の音量にするためには、CD再生時は2時位にする必要がありました。
ところで、ケージの収録時間ですが、BISのADとCDは共に6'44''と表記されていますが、サンプラーは6'14''と表記されています。
CDプレーヤのタイムカウンターで確認すると、BIS CDは6'44''で次のトラックに移りましたが、サンプラーは6'40''で余韻が断ち切られて終了しました。
一方、平義久の収録時間は、BIS ADが19'20''、BIS CDが19'32''となっていますが、タイムカウンターでは19'38''で再生終了となりました。
世の中、一筋縄ではいかないようです。